今月22日に南山スポーツ公園野球場で開かれた、町体育協会トップアスリート招へい事業「野球教室」で、美浜町出身、中日ドラゴンズの岡田俊哉投手(28)が講師を務めた。午前中の小学生の部では技術面以外にも、ためになる話やアドバイスがあった。

 「どんな一流選手でも大事にする」というキャッチボールについては「投手はボールを4球投げられる。でも、内野手、外野手は(セーフになるようなボールを)1球も投げられない」と、その大切さを分かりやすく説明。だから手を抜かず練習しなければならないと強調していた。一番心に残ったのは、どこを目掛けて投げるかの話のとき。野球を始めると必ず「相手の胸へ」と教えられるが、そればかりではなく「捕りやすいところ」「次に投げやすいところ」を狙うのが重要と指摘。投げる相手がどういう態勢、状況なのかなど「相手のことを考えて」、つまり思いやりの心も持たなければならないと言いたかったように思う。以前、「キャッチボールは相手の胸ではなくハート(心)へ」という言葉を聞いたことがあり、多分同じ意味であろう。これは他のプレーにも通じる心構えだ。

 「毎日素振りをしている人」には「努力は、かけた時間や回数ではない」と訴え、何も目的意識がないのならば「時間をつぶしただけ」とダメだし。何も考えていない100回より、何かのためにやる10回。技術向上には後者の方が近道で、どんな練習でも目的意識が必要と説いた。

 思いやりと目的意識。この2つは野球だけでなく普段の生活にも必要であり、地元球児にとっては今後の成長につながる有意義な年末になったのではないだろうか。(賀)