県内の自治体で10日から、さまざまな防災に関する情報を危険度に応じた5段階の警戒レベルで発表する運用が始まった。昨年の日本豪雨を教訓にした県の対応で、住民が避難行動に移すか、直感的に判断してもらう狙いがある。

 200人以上の死者を出した昨年7月の西日本豪雨で、自治体から避難勧告や指示が出ていたにもかかわらず、避難した人は少なく被害拡大につながったとみられている。情報の発表が多く複雑で分かりにくいと指摘もあり、これを受け内閣府がガイドラインを改訂。気象庁や自治体に導入を求め、県が県内の市町村が避難情報を発表する際、警戒レベルを使って伝達するよう働きかけてきた。

 今後、「こちらは○○町です。○時○分に○○地区に対して警戒レベル4、避難勧告を発令しました」というような発表となり、避難準備に関する情報について「警戒レベル3」として高齢者や障害がある人、乳幼児らは避難を開始。避難勧告と避難指示は「警戒レベル4」として全ての人が速やかに避難。「警戒レベル5」はすでに災害が発生している状態のため、「命を守る最善の行動」をとるよう呼びかける。

 一方、気象庁は5月29日から、土砂災害警戒情報と指定河川洪水予報で、従来の情報に警戒レベルを加えて発表。氾濫危険情報や土砂災害警戒情報は「警戒レベル4相当」、氾濫警戒情報や洪水警報は「警戒レベル3相当」とし、住民が自主的に避難行動をとるため参考にする情報となっているが、自治体が出すレベルとの違いなど、住民にとって分かりにくい可能性があるという声もある。

 御坊市の担当者は「これまで避難勧告では避難指示になるのを待つ人もいたかもしれないが、警戒レベル4は全員避難。逃げ遅れのないよう徹底してほしい」と話している。