由良、広川、湯浅の3町が、新年度事業で海岸線をコースにしたマラソン大会を初めて計画している。各町ともしょうゆにゆかりがあることから、スクラムを組んで広域的なまちおこしにつなげていくのが目的。ハーフ、5㌔、キッズランの3部門を予定しており、風光明媚(めいび)な景色を見ながら走るマラソンコースとして注目を集めそうだ。

 由良町はしょうゆ発祥の地とされ、鎌倉時代、興国寺の覚心が中国で覚えた金山寺味噌の製法を伝える際、偶然できたのがたまりしょうゆに似たものだとされる。広川町は、ヤマサ醤油を創業した初代濱口儀兵衛氏の出身地。湯浅町はしょうゆ醸造の発祥の地として2017年度に日本遺産に登録された。そんな中、湯浅町教育委員会の楠義隆教育長から親交のある由良町の宮下幸一朗副町長に「しょうゆつながりで何か一緒に地域活性化の取り組みができないか」と話を持ち掛けられたのがきっかけで、マラソン大会を企画した。

 ハーフマラソン(21㌔)は白崎海洋公園、5㌔の部は広川町役場、キッズラン(1・5㌔)は湯浅町観光駐車場付近がそれぞれスタート地点。ゴールはいずれも湯浅城公園となる。各部門250人の計750人の参加を予定。全体事業費は2200万円で、うち湯浅町が1000万円、由良と広川町が各500万円を負担。スポーツ振興くじ助成金(toto)も申請する。各町で新年度の当初議会に予算を提案しており、承認されれば、開催時期など詳細を詰めていく。

 現在、県内で開かれているマラソン大会は、フル、ハーフの両部門がある紀州口熊野マラソン(上富田町)が有名。ハーフではわかやま新春マラソン大会(和歌山市)、九度山世界遺産マラソン大会(九度山町)、南紀田辺UMEロードマラソン(田辺市)、橋本マラソン(橋本市)が開かれ、人気となっている。

写真=美しい海岸線をコースに(由良町大引―小引間)