みなべ町内の寺院で組織する南部仏教会(会長=畑﨑周定薬師寺住職)は8日、旧南部町内で「困っている人に善意を」と恒例の歳末たすけあい托鉢を実施した。

 宗派を超えた8カ寺の住職ら10人が参加。会員は黒い僧衣で堺の常福寺に集合し、のぼりを手にして出発。畑﨑会長の孫悠定君(11)、法伝寺(芝)の田中隨晋住職の長男随典さん(20)も参加した。鉦(かね)を打ち鳴らしながら堺、埴田、山内などを托鉢して回った。住民らは「困っている人の力になれれば」と快く募金し、会員は深々と頭を下げて志に感謝した。集まった浄財は町社会福祉協議会を通じて歳末たすけあい運動に寄付する。

 昭和2年、同会が設立した双葉幼稚園(現南部幼稚園)の運営資金を集めるために始めたのがきっかけ。戦後、幼稚園の運営が軌道に乗ってからは歳末のたすけあい運動として行っており、町内では冬の風物詩にもなっている。

 畑﨑会長は「待ってくれている人もいる。毎年、協力していただいて大変ありがたいことです」と話していた。

写真=のぼりを手に僧侶らが托鉢