日本サッカー協会公認C級コーチなどの資格を持つ御坊市荊木の坂本寿里也さん(28)が代表を務める有志グループ「SIS」が、来年春をめどにサッカー人口増やサッカーを通じた子どもの育成、地域振興を目指すプロジェクト「SISスペシャルトレーニング」を始動させる。地域巡回型無料サッカースクールやジュニアユースチーム発足などを計画中で、サッカー好きの子どもを育てる新たな取り組みとして注目されそうだ。

 坂本さんは小学生からエストラッサ湯川でサッカーを始め、中学は日高フューチャーズ、高校は初芝橋本を経て大阪体育大学に進学したが、けがのため選手をあきらめて指導者の道に進んだ。大体大在学中から大阪の小学生チーム「マトリックス」でコーチを務め、卒業後、社会人となってからも合わせて約10年指導者を続け、多くの子どもたちを育ててきた。23歳のころ、同級生らサッカー仲間でSISを結成。セルフマネジメント(人間性)・インテリジェンス(知性)・スキル(技術)の頭文字で、目立った活動はできていなかったが、ことし春に御坊に帰郷したのをきっかけに、御坊日高のサッカー文化の一層の発展と活性化に貢献しようと活動を再開することにした。

 具体的には、より身近にサッカーに親しんでもらう機会を作ろうと、今後、各教育委員会等に了承を得た上で各学校へ出向いて「地域巡回型無料サッカースクール」を展開し、サッカー好きの子どもを増やしていく。サッカークラブに入部を考えている子どもたちをサポートするほか、より高いレベルを求める選手たちをU―10、U―12のカテゴリー別に集めて週3回程度プレーできる「レベルアップスクール」も開催。中学生選手の受け皿として、ジュニアユースチームの新たな発足も視野に入れており、将来、優秀な選手の育成にもつなげていく考えだ。

 「子どもたち自身に考えさせる」のが指導のモットー。これまで実践してきた指導方法の確認とさらなるスキルアップへ、坂本さんは21日から29日まで、プロチームの指導経験があり、指導者としての師匠である池上正さんのドイツ研修に参加。現地のジュニアチームの指導を勉強することにしており、来春までにはスペインなども訪問し「考えさせるサッカー」の指導を勉強することにしている。坂本さんは「自分自身がサッカーを通じて育ててもらったことへの恩返しと、指導者としての経験を生かし、プロジェクトの始動を考えました。成功できればサッカーを通じた子どもの健全育成や地域活性化にもつながる。和歌山や日本のサッカーに少しでもいい影響を与えられるよう、御坊日高でいいモデルを作れるよう頑張っていきたい」と意欲を示している。

写真=新たなサッカープロジェクトを始動する坂本さん