県と県観光連盟は歴史ロマンに満ちた和歌山の旅をPRするため、県内に点在する歴史をまとめ、100の旅モデルとして紹介する特設ウェブサイト「わかやま歴史物語 100」を開設した。日高地域は道成寺の「安珍・清姫の悲恋の物語」、御坊市の「湯川氏ゆかりの寺内町」など9つの旅モデルを紹介。同時に、100の物語から6つを厳選して紹介する冊子も発行、各地の道の駅や宿泊施設で配布している。
 ウェブサイトは、県内各地の歴史の香りに満ちた名所・旧跡、人気の観光スポット、グルメなどを1つの物語としてまとめ、それぞれの旅のモデルコースを紹介。和歌山市では「国内最大規模 豪族紀氏の墓とも伝えられる『岩橋千塚古墳群』へ」(古墳時代)、「万葉歌人に愛された和歌の聖地 和歌の浦」(飛鳥~平安~江戸時代)などがあり、日高地域は御坊市の「秀吉の紀州攻めでも衰えぬ厚き信仰心 湯川氏ゆかりの寺内町」(安土桃山~江戸時代)、印南町の「鰹節発祥の地・印南 漁民三人衆の功績を訪ねる」(江戸時代)、美浜町の「海の勇者 ヨハネス・クヌッセン機関長~デンマークと日本の友好の原点」(昭和)、由良町の「法燈国師(覚心)が創建した名刹興国寺~径山寺味噌と虚無僧と天狗~」(鎌倉~江戸時代)など9つの物語が紹介されている。
 100の歴史物語は世界遺産、名所・旧跡、人物、時代などのカテゴリ別に検索でき、それぞれ旅のモデルコース、悲話、インスタ映えスポット、関連ストーリーなどを写真や地図で見やすく掲載。道成寺の「安珍・清姫の悲恋の物語」の旅のモデルコースでは有名な住職の絵とき説法、道成寺近くにある清姫が大蛇の姿のまま身を投げた場所といわれる蛇塚(じゃづか)、清姫がこの場所にあった大松に登って安珍を探したと伝えられる清姫の草履塚(御坊市名田町野島)などが見どころとして設定され、インスタ映えポイントとしては道成寺念仏堂の本尊「アフロヘア仏像」(五劫思惟阿弥陀如来=ごこうしゆいあみだにょらい)、周辺立ち寄りスポットでは日高川町小熊の三国山(さんごくやま)などが紹介されている。
 冊子は表紙が道成寺縁起の鐘に巻きつき火を噴く大蛇の絵で、100の歴史物語のうち新宮市などの「天津神御子の試練 神武東征神話!!  神武天皇と天磐盾と熊野灘」(古墳時代)など6つの物語を掲載。西日本、中日本の高速サービスエリア、近畿の道の駅、空港、宿泊施設などで配布している。