紀の川市で住宅の裏山が崩れ、押しつぶされた家に住む82歳の男性が死亡するなど、県内に大きな被害をもたらした台風21号。日高地方は人的被害はなかったものの、各地で床下浸水、崩土、停電などがあった。
 御坊市では湯川町富安、財部、藤田町藤井で計14軒の住宅が床下浸水し、市道17路線が冠水のため一時通行止め。福祉センターには高齢者ら9人が自主避難した。
 美浜町は和田、吉原、入山、上田井の一部で広く冠水。2軒の床下浸水があった。美浜建設業組合(塩﨑祐司組合長)は町との協定に基づき、組合員11業者が23、24日に復旧作業に当たり、県道に流出した稲わら、倒木などを撤去。住民からはあらためて、県の西川改修の早期完成を望む声も聞かれた。
 日高町では避難準備情報が発令され、22日昼から23日朝にかけて5世帯7人が農改センターへ自主避難した。
 由良町では避難勧告を受けた住民2世帯2人が中央公民館へ避難。阿戸から日高町池田へ通じる県道の由良洞トンネル北側で崩土が発生、通行止めとなっており、小引の海岸線のトンネル内では歩道が浮き上がって土砂が路面に散乱、全面通行止めとなっている。
 日高川町は上初湯川妹尾で強風で倒れた木が電線に引っかかって電柱が傾いたほか、山野から坂野川へ抜ける途中の大又地内で土砂崩れがあり、全面通行止めとなっている。