「毎月月末の金曜日は午後3時に仕事を終え、友達や家族とゆっくり過ごしたり旅行や趣味の時間に当てたり、またライフスタイルの見直しの機会にしよう」と、ことし2月に始まった、官民連携の新しい試み「プレミアムフライデー」。大企業では導入へ向けた動きがニュースになったが、地方の中小企業ではあまり推進の声が聞かれない。実際、周囲でも「新聞社では無理だと思う...」という社員がいた。しかし、これ、「無理だと思う」時点で実現不可能になっているが、やってみようと頭をひねってもないから本当のところはどうだか分からない。
 美浜町の地方創生事業の一つ、「日の岬・アメリカ村の再生とふるさと教育」を進めるための協議会が発足し、第1回会議で冒頭、事務局から発表があった「進め方についてのお願い」が心に留まっている。いくつかを紹介すると、「そんなことしてどうする?、失敗したらどうする?、何をやってもうまくいかない」などと「評論家」のような考えは必要ない。また「失敗を恐れないこと」、さらに「否定的な発言は厳禁」「会議のための会議ではなく、行動するための会議にしよう」など。非常に困難な事業に取り組むのだが、最初から「できない」と思えば絶対にできない。一歩一歩でも前へ前へ、前向きに推進していこうとの呼びかけだったと理解している。
 プレミアムフライデーをいち早く導入すると発表したソフトバンク。得意のIT(情報技術)やAI(人工知能)を駆使して対応してみせるとの社長の意欲が印象的だった。「無理」からは何も生まれない。やろうとの気持ち、姿勢が大切だとあらためて感じる。美浜の創生事業もその意気を持ち続けてほしいと思う。   (賀)