2年ぶりとなる御坊市防災会議(会長=柏木征夫市長)が27日に市役所で開かれ、地域防災計画の修正を承認した。新たに追加した項目は、これまでなかった台風時の避難準備情報の発令判断基準を独自に設定。夜間に台風接近が予想される場合は「午後3時までに決定し、5時までに発表する」と明文化しており、明るいうちに早めに避難してもらうことで市民の安全確保を徹底していく。
 大雨や洪水警報に伴う避難準備情報を発令する基準はあったが、台風に関する基準はなく、その都度判断していたのが現状。周辺町で発令されても市は発令していなかったということもあり、今後は基準に応じて発令するかしないか明確にしようと、防災計画に新たに盛り込んだ。
 特に夜間から翌未明にかけて台風の影響が大きくなる可能性がある場合、和歌山気象台との情報を密にし、まだ影響のない間に安全に避難してもらうことを明確にしたのが大きなポイント。夜間に大雨や洪水、暴風警報の発表が見込まれる場合は、避難準備情報を午後5時までに発表することにした。日中の場合は、台風が四国から和歌山県に上陸すると予想され、警報が発令された時点、もしくは非常に強い台風(最大風速44㍍以上)が和歌山県に上陸すると予測され、和歌山地方気象台の情報で警報の発表が見込まれる場合も、すぐに避難準備情報を発令する。市防災無線のほか、エリアメールなどでも情報発信する。
 このほかの新規追加項目は、大規模災害発生時の遺体収容場所を市立体育館に指定。応急医療の救護場所には福祉センター、湯川中学校、名田小学校の3カ所にすることも決めた。国の津波防災地域づくりに関する法律に基づき、南海トラフの巨大地震の津波シミュレーションで浸水するエリアが「津波災害警戒区域」に県から指定されたことを受け、同区域にある病院、学校、介護などの社会福祉施設82カ所を避難促進施設とし、各施設に避難確保計画の策定を義務付けた。表記の変更として、避難準備情報は「避難準備・高齢者等避難開始」にする。
 地域防災計画は、県地域防災計画等の最新の内容と整合性を図り、東日本大震災や集中豪雨など過去の災害の教訓を生かして必要な修正を行っている。今回の修正は2年ぶり。市防災会議は警察、消防、鉄道会社、NTT、日高医師会、和高専、日高振興局など23機関で組織。計画の修正点をすべて承認した。