みなべ町津波避難センターの起工式が21日に同町気佐藤の現地で行われ、工事関係者ら約30人が待望の施設の完成へ向けて安全を祈願した。鉄筋コンクリート3階建てで敷地面積は約500平方㍍。500人程度まで収容でき、避難困難地区(気佐藤、千鹿浦、南道)の解消に期待されている。完成は9月末の見込み。
 場所は国道424号沿いで、古川をまたぐ下川原橋の近く。周辺では、南海トラフ地震による津波の最大浸水は約2㍍とされている。1階部分は浸水も考えられるが、2階の床部分は地上5㍍、屋上で9㍍の高さがある。風雨がしのげる壁や屋根などのあるビル型の施設で、普段は研修所として利用する方針。2階には150人を収容できる避難所、多目的室、トイレ、給湯室等。3階には350人が収容できる避難所、備蓄倉庫。備蓄倉庫には食料や飲料水、毛布などを常備する。事業費は約2億5000万円。
 起工式では、須賀神社(西本庄)の前芝弘知宮司が神事を執り行い、安全を祈願した。式のあと、小谷芳正町長は「避難困難地区を解消する1次避難場所となる。2次避難場所の防災広場も東吉田地内で進めている。普段は地域住民の研修の場として活用してもらいたい」とあいさつ。竹本栄次議長は「場所の選定で紆余曲折があったが、ようやく待望の起工式を行うことができた」、施工する㈱南部建設の池田裕仁社長は「地域住民の期待を実感している。防災のシンボル施設となることを願っている」とそれぞれ述べた。