県選出の参院議員、世耕弘成内閣官房副長官(53)が24日、日高地方各市町の後援会メンバーと懇談した。第2次安倍政権発足から3年7カ月、内閣官房副長官として官邸から首相を支えながら、自民党内最大派閥、細田派参院会長に就任するなど存在感を増しており、来月3日に行われる内閣改造では閣僚入りが確定的との一部報道も。安全保障関連法の制定、伊勢志摩サミットなどを振り返り、入閣は「半々かな」と笑顔で期待をのぞかせた。
 24日はドイツの銃乱射事件で和歌山入りは直前まで微妙な情勢だったが、日本人被害者がいないことから予定通り、御坊、美浜、日高、由良、みなべ、印南の6市町で国政報告を行った。日高町では、海外で相次ぐテロやクーデター、国内の自然災害など危機対応の苦労話をはじめ、安倍政権発足からの重要事項を振り返り、安全保障関連法については「18年間、国会議員をやってきたなかで一番しんどかったが、中国や北朝鮮の動向からも、集団的自衛権の限定行使を盛り込んだ法制化はやっておいて本当によかった」とした。
 伊勢志摩サミットに関しては、世界経済の現状認識に温度差がある各首脳に配慮しながら、「新たな危機」に陥ることを回避するためにあらゆる政策を総動員するという首脳宣言をとりまとめた安倍首相を「まさにプロの仕事だった」と絶賛。「これも通算5回目のサミット出席となった安倍首相自身の舞台慣れが大きいと思われ、それぞれの首脳の人柄や議論のテクニックも理解しているからこそ成し得た大仕事だった」とし、外交には政権の安定が何より重要だと強調した。
 参院選も圧勝したこれから、「引き続き経済を最優先し、失敗していないがうまくもいっていないアベノミクスの果実を日高地方でも実感してもらうため、下請取引の適正化、農林水産業の振興に全力を挙げる」とした。
 内閣改造・党役員人事では入閣が確定的との報道もあるが、これにはまず「私はわからない」と前置きのうえ、「東京の記者や先輩議員らからも(入閣は)『半々かな』といわれている。副長官の続投もあるだろうし、自分のキャリアからもそろそろ...という気もする」と笑顔をみせたが、最後は「安倍首相に何をいわれても、それに頑張ることが自分の力となり、和歌山、日高地方のためにもなると信じている」と表情を引き締めた。