覚せい剤取締法違反の罪に問われた元プロ野球選手、清原和博被告(48)の裁判は、検察、弁護側とも期限までに控訴せず、懲役2年6カ月、執行猶予4年とした東京地裁判決が15日、確定した。また、NHKの子ども向け番組「おかあさんといっしょ」の元「歌のお兄さん」で、覚せい剤取締法違反の罪に問われた杉田光央被告(51)の初公判も14日に東京地裁であり、杉田被告が起訴内容を認めた。検察側は懲役1年6カ月を求刑。弁護側は執行猶予を求め、結審した。判決は20日という。
 このように覚せい剤や薬物の犯罪による著名人の逮捕、裁判のニュースがしばしば報じられるが、私たちが暮らす一般社会ではどうだろうか。県警によると、平成27年中の県内の薬物犯罪検挙状況は全薬物で174人。覚せい剤は140人に上っている。うち県内居住者は約67%。暴力団関係者だけでなく女性や子どもが含まれ、御坊署管内でも検挙者が出ている。どこか都会の話と思いがちだが田舎も同じ。覚せい剤を中心とした薬物が広がっているようだ。
 先日、御坊市内の中学校での薬物乱用防止教室を取材。使ったときの社会的制裁や刑事責任はもちろん、作用や依存の怖さについて警察官が説明した。薬物を使用するとすぐ強い依存が形成されると同時に、使用量を増やさないと満足な効果が得られなくなり、ますます関わりは悪化。人ごとではなく「ほんの軽い気持ち」「たった一度の好奇心」が自分の人生を狂わせ、取り返しのつかない事態を生む。薬物を許さない社会をつくるためには私たち一人一人が正しい知識と強い意志を持つことが大切。あらためてそう感じた。 (笑)