まちの発展に必要なものの一つに「道」がある。道ができることで住民の利便性が向上するのはもちろん、人の流れができ、産業の振興も図られる。近年は観光にも活用され、巨大地震など大規模災害時には救急車両の運行や支援物資の運搬で〝命の道〟ともなる。公共工事については賛否両論あるが、筆者は道の公共工事は必要不可欠だと思っている。
 「キララ・ときめきロード」という名称の道を知っているだろうか。最近はあまり聞かなくなったが、有田市から御坊市までを結ぶ約60㌔の海岸線道路(主に県道)。海岸線は美しい景色が広がり、由良町では戸津井鍾乳洞、白崎海洋公園、日高町では温泉館や産湯海水浴場、美浜町では日ノ岬、煙樹ケ浜などの名所があり、20年ほど前は観光道路として県が積極的に整備を推進していた記憶がある。
 最近あまり聞かないというのは、恐らく大半の区間で拡幅工事などが終了したからだと思うが、それ以上にこの名称を使ったような観光PRやイベントが行われていないからだと思う。インターネットでこのワードを検索しても、結構古い書き込みが目立っている。せっかく巨額の費用をかけて整備してきた道なのだから、うまく活用してもらいたいもの。各市町が連携して、海岸線を結んだ広域的な観光コースを提案して、誘客を図るのも手だろう。
 ただ、このルートの中でもまだ未整備の区間が残っている。由良町の小引―大引間や日高町の柏、美浜町の三尾などで、このまま中途半端にキララ・ときめきロードの整備をトーンダウンさせるのではなく、最後までやりきって、きっちり有効活用していく〝道〟を探してほしい。(吉)