日高川町の川原河で東京都出身の山口由宇香さん(39)が、築115年の古民家を改修して草木染め「negi工房」を開いている。日高川町が公開している空き家情報を基に見つけた古民家で、地域の交流の場などとしても定期的に開放。23日には大寒のビワの葉を使った草木染め体験会も開く。
山口さんは東京で既製品の染料を使って草木染めを行っていたが、平成23年3月11日の東日本大震災を機に、那智勝浦町に移住し、24年には田辺市の龍神村に移り、山で草木を集めて本格的な草木染めを始めた。昨年、新たな住居を探すことになり、草木染めができるよう井戸水などの環境が整っている場所を探しているうちに、日高川町の空き家がヒット。10月に移住し、少しずつ改修などを進め、工房をオープンさせた。
 草木染めはススキやヨモギなどを集め、数日間煮詰めて色を出し、衣服やハンカチを染めていく。煮詰める際の釜はまきを使用し、染色時には川や井戸の水を使用。山口さんの工房ではTシャツやハンカチ、ふんどしを染め、販売も行っている。
 古民家は築115年経過しているものの何度か手入れをしていたため状態は良く、さらに古民家の味を残しつつ改修。台所や納屋のほか畳部屋は交流スペースとして開放。年明けにはかるた大会なども開いている。
 山口さんは「川原河には山と川があり、とてもきれいです。周囲の方たちもとても気にかけて下さっています」と笑顔。「草木染めは四季折々の色を楽しむことができます。また古民家スペースは地元や県内外の多くの人の交流の場になれば」と話し、京都などでの商品販売の際にもPRしていく。
 体験会は午前10時から。1年のうちで最も生命力が旺盛と言われる大寒(1月21日)のビワの葉を使った草木染めを行う。料金はハンカチ2500円からで、ふんどしやTシャツも用意。食事や宿泊もでき、詳しくは山口さん℡080―2253―1702かフェイスブック「http://www.facebook.com/negi.factory」。