先月の21日は映画「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2」で主人公のマーティ・マクフライとエメット・ブラウン博士らがタイムマシンで1985年からタイムスリップしてきた日だった。1989年に公開された映画の中の2015年にはビデオ会議や3D映像などがあり、現在実現しているものもあったが、空飛ぶ車をはじめいくつかは実現できなかったようだ。実際、この30年間で一般的な生活の中で何が大きく変わっただろうか。テレビがブラウン管から薄型になったり、自動車が電動になるなど、さまざまな物がより便利になってパワーアップしたりはしているが、新たに増えたものと言えば、インターネットとスマートフォン(携帯電話)くらいだろうか。
 そんな中、パワースーツの研究・実用化が各機関や企業で進められている。和歌山でも和歌山大学の八木栄一特任教授が中心となって「パワーアシストスーツ」として研究を進めている。スーツは農林水産省の補助を受け、農作業の負担軽減を目指して取り組んでいる。主な機能は重い荷物の持ち上げ、中腰、歩行の際にサポートしてくれる仕組み。これまでの研究では実証実験などを通じてサポート効果の確認、軽量化などを進めてきており、28年度の商品化を目指している。
 今後の展望としては農作業に限らず、運送や介護などさまざまな用途で使うことを想定。八木教授のスーツは1台100万円程度での発売を予定。当面は高価になるだろうが、いずれはコストダウンが図られ、一般家庭向けに販売されることも想定できる。20年、30年後の世界にはパワーアシストスーツのある風景が当たり前の日常になっているのかもしれない。(城)