近年は未婚率が高まっているそうだ。インターネット上にあったデータによると、30歳前半の男性は2人に1人が独身、女子では3人に1人の割合だという。中には「交際するのが面倒で嫌だ」「結婚を考えていない」という声もある。他にも経済的な面から結婚を躊躇(ちゅうちょ)することもあるという。
 もちろん、未婚者の増加は人口の減少に影響する。日本の人口は2050年には1億人を割る9708万人、2060年には9000万人を割ると推計され、地方ではさらに加速するとみられている。県の人口推移試算では現在の96万人から2040年には70万人、2060年には50万人程度に激減するという。人口減が生産性の低下や消費者人口の減少に結びつくことが問題視され、各市町村でも人口減の歯止めに向けて取り組んでいるのが現状だ。
 外国からの移住者が増えれば人口の増加も考えられるが、基本的には出生数と死亡数の差が人口を左右する。人口減少の要因は経済面や子育て環境など複数あるが、未婚者の増加も大きなウエートを占めている。昔は独身者に対して地域の世話好きが見合いなどを取り持つという社会の風潮があったが、最近ではそういう人も少なくなった。みなべ町で行われたアンケート調査によると、未婚の理由として「結婚したいと思える相手がいない」「出会う機会、きっかけがない」という回答が上位を占めた。
 先日、日高地方や西牟婁地方を会員とする組織「婚活きのくに」が発足した。会員が持っている情報をマッチングしたり、婚活イベントを催すなどで男女の縁をサポートするという。結ばれる2人のカップルだけでなく、将来の日本の幸せのためにも力を貸してもらえれば。  (雄)