日高地方でもさまざまな資源を活用して観光の取り組みを行っているが、全般的に見て関わっている人は年配の人が多いように思う。豊富な経験と知識を持った年配者ならではのアイデアが出るだろうから、それはそれでいい。ただ、次世代を担う若者のセンスや発想、行動力も得られれば、これほど心強いことはない。
 先日、由良町とふるさと協定を締結している摂南大学の学生が、東京でのツーリズムセミナーで同町の観光に対する提言を発表。着地型オプショナルツアーでインバウンド(訪日外国人観光客)を取り込むというアイデアだ。
 そんな中、若者らしい発想だと思ったのは、セグウェイの導入。アメリカで開発された電動立ち乗り二輪車のことで、小泉純一郎元首相がブッシュ元米大統領からプレゼントされて、首相官邸で乗り回していた映像を覚えている人も多いのではないだろうか。移動の際、基本的にアクセルはなく、重心移動で前進、ブレーキをかけ、ハンドルでかじをきる。時速20㌔ぐらいまで出るが、動力は電気で環境にやさしい。
 そんなセグウェイで町内の名所を巡ってはどうかというのだ。セグウェイに乗るだけでも楽しそうだが、それで名所も見ることができるならなおいい。公道での走行は禁止されていると聞くが、実際、茨城県つくば市では特区指定を受けて観光にセグウェイを活用している。気になる価格は、1台当たり軽自動車の新車が買えるほどするが、ネット販売だと10万円を切る品もある。
 セグウェイ導入という若者のセンスは、由良町に限った話ではなく、何か日高地方での観光のヒントにもなるのではないか。 (吉)