ことし7月1日時点の県内の基準地価格が発表された。全体の平均価格は住宅地が25年連続、商業地も24年連続で下落となったが、前年比下落率はともに縮小。住宅地、商業地とも交通の利便性が高く、商業施設や公共施設がある地域は価格上昇地点がみられるが、いずれも全体としては下落傾向が続いており、住宅地は津波被害のリスクがある沿岸部や合併等の再開発で商業地がよそに移った地域は下落率が高くなっている。
 調査は住宅地196地点、商業地56地点など計270地点で実施。県全体の住宅地の平均価格(1平方㍍当たり)は3万4700円、前年比は1000円のマイナス、下落率は2・3%で、平均価格は25年連続の下落となったが、下落率は3・0%から0・7㌽改善した。
 30市町村別の平均変動率をみると上昇は岩出市(0・4%)だけで、最も下落率が大きいのは湯浅町の5・1%。調査した196地点のうち価格が上昇したのは和歌山市や田辺市、岩出市など5市町で計9地点あり、駅への利便性が高く道路交通アクセスがよく、近くに商業地や公共施設がある地点が上昇している。紀南地方では津波被害リスクが懸念される地域は高台に需要が集中し、沿岸部の地点が下落率上位となっている。
 商業地の県全体の平均価格は前年比1000円減の7万8700円、24年連続の下落となり、上昇した4地点はすべて和歌山市内で、中心市街地の十一番丁(1・7%上昇)、国体道路沿いの小雑賀3丁目(0・8%上昇)など。傾向としては和歌山市中心部の繁華性が高い地域や幹線道沿いの交通の利便性、集客力が高い地域で上昇がみられるものの、有田川町徳田など自治体の合併により役場が移転したり、商業地が移動した地域の下落幅が大きくなっている。