全国各地から応募がある第25回箕面手づくり紙芝居コンクール(大阪府箕面市教育委員会など主催)の入賞者が決まり、みなべ町埴田のイラストレーター松下恭子さん(37)が最優秀賞を獲得した。作品のタイトルは「きんのたね」。受賞については「5回目の挑戦だったので、とてもうれしい。自信にもなった」と喜んでいる。
 応募したのは一般の部で、同コンクールで入賞経験のない人が参加するB部門。審査は3次まであり、1次審査(6月6日)は絵と脚本、2次(7月4日)と3次審査(同月11日)では紙芝居の実演も行った。松下さんのオリジナルの紙芝居は1次審査を通過し、箕面市立メイプルホールに出向いて実際に審査員らに上演した。結果、全国各地から集まった46点の中から見事最優秀賞に選ばれた。
 作品の「きんのたね」は、とんまなサルのもん吉が金色の種を拾い、柿の種と思い込んで必死に芽を出そうとする。なかなか芽が出ず、一緒に温泉に入ったり踊りを踊ったり拝んだりした。ある時、種をカラスに食べられてしまったが、カラスの糞からとうとう芽が出た。その後、もん吉はせっせと芽を育て、実をならせたが、思っていた柿ではなくトウガラシだったという物語。紙芝居は10枚(縦27㌢、横39㌢)で、絵は和風のタッチで、アクリル絵の具で仕上げた。
 松下さんは「絵や脚本の審査だけでなく紙芝居の実演もあり、とても勉強になった。紙芝居は日本の伝統文化であり、世界最小の演劇。紙芝居をつくるのはとても楽しいので、興味のある人はぜひ挑戦してほしい」と話している。
 平成15年ごろからイラストや絵本の製作に独学で取り組み、絵本「のぞいてごらん」などを出版している。県の紙芝居コンクールでは2位に入ったこともある。箕面市のコンクールへの応募は、6年前にみなべ町図書館職員から紹介されたのがきっかけになったという。これまでに4回挑戦したが、いずれも1次審査で落選していた。