昨年10月、由良町とふるさと協定を締結した摂南大学(大阪府寝屋川市)でこのほど、同町総務政策課企画政策班主任の寺井一馬さん(37)が、経済学部の1年生ら約200人を前に経済ゲストレクチャーを行った。「過疎化に悩む地域の活性化」がテーマで、町の人口減少の現状や観光、産業振興の取り組みなどを紹介した上で、「活性化に向けて若い学生のアイデアを出してほしい」と要請した。
 摂南大学の経済ゲストレクチャーは、学生に〝生きた経済〟の現実の課題と活動に触れてもらおうと、ゲスト講師を招いて、実践事例を学ぶ授業の一環。由良町と同大学はふるさと協定以降、さまざまな交流を続けており、今回、ゲスト講師を務めるのは、初めてとなった。寺井さんはまず「由良町には白崎、興国寺、戸津井鍾乳洞などの観光名所がある。産業ではミカン、ワカメなど」と説明。ただ、「人口が減少し、小学校が1校減り、中学校は1つに統合された。農業者人口も減っている」とし、「こういったマイナスイメージを払しょくし、地域活性化につなげるため、さまざまな政策を行っている。新規就農支援や地域交流施設『ゆらっと紀州』のオープン、旧衣奈保育所施設での福祉事業、田舎暮らし推進へ体験イベントなどがある」と紹介した。最後に「若い学生たちに地域振興のアイデアを出してもらえれば」と呼びかけた。
 学生は事前にも授業の一環で和歌山県と由良町について学んでおり、レクチャーでは熱心にメモを取るなどで聞き入っていた。また、今回のレクチャーを通じて由良町のPRにも一役買ったようだ。