全国の交通事故死者ワーストランキングで、平成15年から12年連続で愛知県がワースト1となった。なぜ愛知県で重大事故が後を絶たないのか、最も大きな理由は自動車の保有台数だという。人口は724万人で東京の1320万人の半数ほどだが、車の保有台数は505万台で2位の東京の442万台を大きく上回っている。車の母数が大きい分、事故も多くなるのは確かに理にかなっている。昨年1年間の死者は204人で、ワースト1となった平成15年の428人と比べると半数以下に減っているのだが。
 平成15年以前、長らくワースト1だったのは北海道だ。筆者が記者になった平成9年前後も死亡事故が一番多いのは北海道というイメージだった。道が広く直線が長いのでスピードを出してしまうのが原因というのを記憶している。その北海道で去る9日、一家4人が死亡するという悲惨な事故が起こってしまった。現場から逃走したひき逃げ容疑がかかっている男は、「酒を飲んだ」「任意保険に入っていなかったから逃げた」などと供述しているという。亡くなった家族4人のうち、16歳の長男は1.5㌔も引きずられたというのだから、怒りが収まらない。
 飲酒運転等の厳罰化以降、着実に交通事故は減っている。飲んだら乗らない意識はかなり高まっている一方で、このような例外もいまだになくならないのが現状だ。交通事故のほとんどは故意ではないが、今回のような例外は故意に位置付けていいだろう。このような殺人ともいえる行為にはさらなる厳罰化も必要と考えるのが一般住民の感覚。二度と起こらないよう、悪質極まりないドライバーを根絶しよう。  (片)