御坊市の社会医療法人黎明会北出病院は12日から、日高地方で初となる「看護外来」をスタートさせた。褥瘡(じょくそう・一般的に床ずれ)とストーマ(人工肛門)の患者のケアに特化した外来で、医師ではなく、専門の知識と技術を身につけた看護師が、患者への処置だけでなく術前術後を支援。不安や困りごとに耳を傾け、患者のよき相談相手となって日常生活をサポートしていく。
 対応するのは、皮膚・排泄ケアの分野で認定看護師資格を取得した同病院看護師の西由香里さん(34)=印南町=。看護師として10年以上同病院で働く中で、褥瘡や人工肛門の患者への専門的な知識をもっと高めたいと、京都の看護研修センターで7カ月間講義を受けた。その後日本看護協会の試験に見事合格し、同認定看護師となった。開設したのは「褥瘡・ストーマケア外来」で、新館1階の「⑬処置室」で毎週火曜日の午前中に受け付ける。
 褥瘡は寝たきりの患者や高齢者に多くみられる症状で、悪化すれば部分的に壊死するケースもあり、これまで患者が一般外来で診察に訪れることが多かった。ストーマも同病院では年間平均5人~10人をオペしており、患者数は増えているのが現状。そこで専門の看護外来を開設し、患者の褥瘡予防やストーマの術前術後ケアをより強化していくことにした。
 相談室としての役割が大きく、褥瘡になったときの処置の仕方や使用する薬、予防のための体の向きを指導するほか、ストーマのケアに不安があったり、体の変化によって装具が合わなくなったなど、心配事についてアドバイスしていく。西看護師は「褥瘡なら少し赤くなった時点で来ていただきたいし、ストーマについても不安に思っていることを何でも話してほしい。情報発信も積極的にしていきたいので、とにかく気軽に来てください」と呼びかけている。予約が必要で、詳しくは同病院℡0738㉒2188。
 21日から毎週木曜日には「感染相談外来」も開設することにしている。