美浜町が巨大地震の津波対策として、平成28年度の着工、盛り土部分の完成を目指す松原地区の人工の高台避難場所について29日夜、建設場所に隣接する新浜地区住民を対象とした事業の説明会が開かれた。
 4年前の東日本大震災発生後、国と県が相次いで南海トラフ巨大地震等の津波浸水想定を公表。美浜町は沖合30㍍の地点で最大17㍍の津波が16分で到達すると予測され、松原地区はほぼ全体が浸水エリアとされている。県は昨年、南海トラフ巨大地震の津波避難困難地区として、吉原、浜ノ瀬、田井地区を避難困難地域(対象人口は932人)に指定したが、町は松原小学校屋上の避難者収容人数を県より小さくし、松原高台への避難対象エリアを町独自の避難困難地域(対象人口1928人)と設定した。
 松原高台は地震発生後の標高を15.5㍍、最大の津波高を11.37㍍として設計。来年度は松や雑木伐採のための保安林解除、国有地の占有手続きに入る予定で、説明会では参加者から「松の木は落ち葉が家の雨どいに詰まったりして困っている。高台建設場所だけでなく、周辺も含めてすべて伐採してくれてもかまわない」「高台の頂上部をもっと高くし、私たち住民を安心させてほしい」などという意見が出た。
 町は12日、田井畑地区の総会でも松原高台の整備計画について説明を行う。