日高川町担当の筆者は、以前から台風などで日高川が増水するたびに水位が気になっている。流域の日高川町に大きな被害をもたらした平成23年9月の台風12号豪雨からは一層気にかかるようになり、大雨のときは、松瀬橋に設置された河川監視カメラの映像をパソコンやスマホで頻繁に見るようになった。
 筆者は大雨の際、川の状況を確認したり、カメラに収めるために、増水した川に近づいたこともある。柵をがっちりつかんでいるとはいえ、雨で視界が遮られ足を踏み外したり、風にあおられるなどして、川に落ちてしまえば一巻の終わり。絶対に近づいてはならない。現在日高川では、県は住民が水位を確認できるよう橋脚に「量水標」という水位の目盛りを記し、河川監視カメラも松瀬橋ほか、新田橋、川上橋と椿山ダムに設置している。松瀬橋の映像についてはパソコンなどで確認でき、10分ごとに更新される仕組み。大雨の際など川の状況変化に気が気でない住民にとって、住宅などの防備、避難の準備やタイミングなどさまざまな意味で大きな目安となる。
 日高川町議会の3月定例会は20日に閉会。全会一致で原案通り可決した平成27年度の当初予算に、日高川への河川監視カメラ設置費を盛り込んでいる。県のカメラに加えて町独自で今年度、千鳥橋、長子橋の2カ所に設置。来年度は熊野川地内の本流1カ所に上初湯川、寒川地内の支流2カ所に設置する計画だ。町事業のこれら5カ所のカメラの映像は、ライブでテレビで見ることができ、パソコンなどが苦手な人でも簡単に川の状況を確認できる。状況把握へ危険極まりない川に近づくことも減る。高齢者が多い日高川町にとって、住民目線のとてもいい取り組みだと思う。(昌)