「一目百万、香り十里」で知られる、みなべ町晩稲の南部梅林が24日に開園した。岩代大梅林も来月1日にオープンする。現在はまだつぼみの状態だが、満開になると一面が白いじゅうたんを敷いたような眺めとなり、周辺には独特の香りが漂う。まさに日本一の梅の里にふさわしい早春を告げる花だといえるだろう。
 梅林シーズンになると京阪神などからの観梅客でにぎわい、例年3万人以上が訪れる。各梅林では期間中の土日曜日や祝日にイベントが展開され、梅料理キャンペーン、梅酒コレクション、夜に観梅が楽しめる夜梅祭、音楽ライブなどが多彩に催される。梅林以外でも、昨年制定された「梅干しでおにぎり条例」にちなんだギネス世界記録に挑戦するイベントが企画されているほか、各所で開かれるイベント会場でおにぎりを振る舞う「梅干しおにぎりリレー」も行われる。鶴の湯温泉では感謝祭、清川でも梅まつりなどがあり、この時期は楽しいイベントが目白押しだ。読者の皆さんも梅林でのんびりと1日過ごしてみてはいかがだろう。
 観梅とは直接関係しないが、近年課題となっている梅の消費低迷。消費宣伝が重要で、町では全国各所を訪れてPR活動に躍起だ。各種団体でも取り組みを実施しており、紀州みなべ梅干生産者協議会も景品に梅干しを入れているガチャポンを設置して若年層へアピール。町内の中学生も修学旅行先でPR用の梅干しを配布するなどの取り組みも行っている。
 梅林シーズンには、少しでも梅に興味を持っている人が訪れてくれる。特産の梅を大いにアピールできるチャンス。おもてなしの心で観梅客を迎え入れ、低迷傾向に悩む梅産業の起爆材となることを期待したい。    (雄)