和歌山の医療、看護の向上に大きく貢献した看護師、保健師らをたたえる県ナース章の受章者が決まり、ことしは県全体で13人が受章。日高地方関係では、国保日高総合病院(御坊市)の副看護部長谷眞理子さん(59)=美浜町=、独立行政法人国立病院機構南和歌山医療センター(田辺市)の助産師・看護師長出立(でだち)加代子さん(50)=同=の2人が選ばれた。17日午後1時半から県庁正庁で表彰式が行われる。
 谷さんは、昭和51年に県立高等看護学院を卒業後、国立療養所和歌山病院に3年半勤め、出産と育児のため退職。57年に日高病院に再就職後は精神科、外科病棟、内科病棟・外来に勤務し、平成元年には主任看護師、14年に看護師長となり、24年からは副看護部長を務めている。病院では現場のリーダーとして看護技術の向上に努め、県看護職員養成講習会や研修会にも参加して後進の育成、指導にも力を注いでいる。
 今回のナース章受章には「きょうまで好きな看護の仕事を続けることができたのも、よき先輩、同僚、後輩に恵まれ、家族の支えがあったおかげです。受章を励みに一層、後進の指導に努力していきたいと思います」と話している。
 出立さんは、昭和62年に国立大阪病院に助産師として採用され、妊婦健診、保健指導、350件の分娩介助を経験。基本的な助産技術と知識、ハイリスク妊産婦の管理、重症新生児の看護を習得した。国立南和歌山病院では助産、看護の仕事をしながらアロマトリートメント、骨盤ケア、ベビーマッサージを導入し、18年の国立病院機構初の院内助産院開設に尽力。21年からは県助産師会副会長として、日高地方でも御坊市の財部会館で毎月開かれている育児相談等に参加している。
 ナース章受章の知らせに、「先輩、同僚、後輩、助産師会の皆さまのご指導と支えのおかげです。これからも微力ながら、地域医療と看護の充実に貢献できればと思います」と話している。
 県ナース章は昭和45年からスタートし、昨年度までの受章者は422人。本年度13人の内訳は、保健師1人、助産師2人、看護師9人、准看護師1人となっている。17日の表彰式では、仁坂吉伸知事から賞状と純銀製のメダルが授与される。