日高地方民間有志などの宮子姫の里をつくる会(津村尚志会長)の役員会が1日に日高新報社会議室で開かれ、宮子姫の里の建設第一候補地を御坊市藤田町吉田地内の約1.5㌶(吉田八幡神社東)にすることを決めた。「観光でふるさとを元気に!!」をコンセプトに観光、食事、物産の全てを体感、体験できる場を創出していく計画で、早ければ来春のオープンを目指している。
 候補地のさらに東の方には宮子姫の願いで建立されたとされる道成寺もあり、宮子姫を活用した観光振興を図るために適地だと判断した。現在は地元の複数の地権者が所有する農地となっているが、すでに賃貸で合意を得ており、近く正式に契約。その後、草刈りや造成を進めていく。地元吉田区も推進に協力を約束している。
 造成が完成すれば当面は芸能文化、式典などジャンルを問わず各種イベントや定期的な地元物産販売(例えば軽トラックの荷台を使った宮子市)をする場として活用。ハス池や宮子姫顕彰館の整備も視野に入れている。さらに、地域住民のさまざまなアイデアを取り入れてどういったイベントや観光振興を図っていくかなどの意見を出してもらうワークショップを年内にも開催。5、6回を予定しており、詳細な日程は今後詰めていく。役員会では「観光でふるさとを元気に!!」というコンセプトの下に位置する基本理念として①地域住民が主役となる観光②宮子姫の魅力を住民と観光客が共有③広域的な観光資源を掘り起こしてネットワークで共有――の3本柱も設定した。
 宮子姫の里づくりに向けては、財源の確保や会員増員などまだまだ課題も残っているが、着実な歩みをみせている。