8月31日といえば以前は「夏休み最後の一日」というイメージだったが、近年は夏休みが短くすでに2学期が始まっている学校の方が多い。それよりも、8月31日は「野菜の日」である。もちろん「8・3・1(や・さ・い)」の語呂合わせからだが、夏から秋へ向かう時期、野菜をしっかり食べて季節の変化を乗り切ろうという意味も込められているという◆夏の疲れがいろんな症状になって表れるのが夏バテ。昔、まだ冷房のなかった頃にはそれは食欲不振として表れ、「夏やせ」の方が主だったらしい。今の時代は単に暑さ負けというより、急激な温度変化を短時間に体に感じ続けることから調子がおかしくなるようだ◆夏バテの症状にも時代が表れている一方、今の時代には豊かな食材を楽しめるというありがたさがある。筆者の子ども時代は食卓にのぼる野菜は限られており、ブロッコリーなどきいたこともなく、カリフラワーという言葉を本でみてお菓子の名前かと思った。今は昔ながらの野菜に加え、夏にはゴーヤやズッキーニ、モロヘイヤ、大小さまざまなトマトなど多彩な野菜をいろいろに調理して味わえる。夏に限らず、各地の産品所や地元スーパーでツルムラサキ、空心菜、オータムポエムなど珍しい野菜に出会うと心楽しくなる。紫のオクラや白いナスなどの変わり種も食卓の話題を提供してくれる◆野菜は大地の恵みそのもの。管理栄養士・滝川悦子さんの本紙連載「食生活のおたすけマン・エツタロウがゆく」でよく書かれている通り、地元の旬の野菜は健康維持の何よりの味方。季節の変わり目を乗り切るためにも、バラエティ豊かな地元の野菜を楽しんでもりもり食べて、大地のパワーを体に蓄えたいものだ。 (里)