戦争資料を集めた「平和を考える展示会~伝えよう平和の心」(みなべ町教育委員会主催)が、2日から南部公民館と近くの図書館ゆめよみ館で始まった。パネル資料や遺族から預かった戦死者の遺品などで戦時中の暮らしなどを紹介している。来場者らは1点ずつじっくりと見て回り、「二度と過ちを起こしてはならない」と平和の尊さを再認識していた。15日まで。
 終戦記念日を前にし、「命や平和の尊さを次世代に残し、伝えたい」と企画した。南部公民館では、ロビーに当時の小学校の教科書、神風特攻隊出撃の写真パネル、大手新聞社の当時の戦争報道などがパネルで展示されている。みなべ町内の遺族から集められた遺品では「もう収穫は済んだか」「体に気をつけて」などみなべ町で過ごす家族の生活を戦地から気遣った手紙、出征旗、軍服などが並べられている。「太平洋戦争」「真珠湾攻撃」などの様子を映像で伝えたDVDも見ることができる。
 初日に訪れた南部中学校2年の平百々さんは「戦争で命が奪われたり、生活が苦しくなったりして、とてもかわいそうに思う。絶対戦争は起こしてはならない」と感想を述べ、豊田泰猛教育長も「戦後約70年が経過し、戦争の悲惨さを伝える人が少なくなった。こうした機会に、資料を通して少しでも平和の素晴らしさを再認識し、自分たちの足元をしっかりと確かめてもらいたい」と話していた。展示時間は午前8時半から午後10時。
 図書館ゆめよみ館では、入り口付近で「伝えよう平和の心」のテーマで戦争の記録などの図書展示を開催。3日午後2時から、広島原爆によって苦悩の日々を送らなければならなくなった被爆者の姿を描いた映画「父と暮らせば」が上映される。入場は無料。