高校生が農業の研究発表を行う県学校農業クラブ連盟大会(同連盟など主催)が和歌山市の県自治会館で開かれ、プロジェクト発表の部で南部高校農業クラブから女子5人、男子2人の2団体が最優秀賞に輝いた。特産の梅を生かしたスイーツづくり、絶滅危惧種の植物キイジョウロウホトトギスの増殖活動の取り組みを発表。8月20・21日に県民文化会館などで開かれる近畿大会への出場権を獲得した。
 大会には、農業科のある県内5校の生徒が出場。プロジェクト発表では研究内容や発表態度を7人の審査員が審査して採点した。持ち時間は10分以内。
 南部高校農業クラブの岡地真子さん(3年)、岡本亜子さん(同)、福田亜美菜さん(同)、岡崎七海さん(同)、抜田彩香さん(2年)の5人は「南高発信のスイーツを目指してⅧ~地産地消のメッ茶梅(ジャム)~」と題して発表。特産の南高梅と日置川上流の山間部の市鹿野地区で栽培されている川添茶を使ったジャムづくりに挑戦している取り組みについて説明した。梅ジャムに茶の粉末を加える分量などを研究しており、「特徴のあるジャムの完成を目指していきたい」と締めくくった。最優秀賞の獲得に、岡地さんは「4月から頑張ってきたかいがあった。近畿大会でも頑張りたい」と話した。
 小西翔也君(3年)と津村明杜君(2年)の2人は「熊野の森の貴婦人を守れ~キイジョウロウホトトギス増殖活動記~」というタイトルで発表。キイジョウロウホトトギスは環境の変化と開発で自生する場所が少なくなり、園芸品種として人気があることから乱獲されて数が減っているという。同クラブでは町内の住民から譲り受けた苗を育て、清川天宝神社や清川南紀梅干工場裏にある神社付近に植栽して生育調査を行っている。発表では活動内容を説明し、「人里離れた山奥に咲く花々を身近なところに増やし、自然の財産を多くの人たちに見てもらいたい。地域に訪れる人を増やす手助けをさせていただきたい」と述べた。最優秀賞が決まり、小西君は「近畿大会に出場できることは、大勢の人に絶滅が危惧されているキイジョウロウホトトギスについて知ってもらう機会でもある。より多くの人たちに知ってもらうためにも、全国大会に出場できるように頑張りたい」と話している。