由良町議会の由良守生議員は去る10日の6月定例会で「陳謝」の再懲罰を宣告された。由良議員は一部を朗読せず、再度の全文朗読には応じなかった。本人は「先ほど一度朗読したと思いますが...」と述べたが、上野諭議長が「陳謝文朗読を拒否したとみなす」と決定。今後、再々懲罰が科される見通しだ。
 「先ほど一度朗読した」という陳謝文。「全文を一字一句読むことが陳謝の懲罰に当たる」と上野議長が会議中にも説明した。そのうえで、再朗読に応じなかったのだから最初から誠実に謝る気がなかったとみられてもやむを得ないだろう。取材していると同僚、さらに出席している執行部を故意に振り回し、混乱させただけの不誠実な態度としか受け取れなかった。
 例えば校則で「髪を伸ばすのは禁止」とあり、髪を伸ばしたい場合。中学生にもなれば校則を変えるという活動、運動をして目的を達成する。みんなで決めたルールがあるならまず守らなければ秩序が保たれない。問題があるなら多くの賛同を得て変える。これが民主的な手法。条例案などを議決する議会の一員ならば「ルールよりも被害を訴えるのが私の仕事」(由良議員)などの言葉を発してはならないはずである。
 元首相がよく使っていた言葉で「信なくば立たず」がある。政治を行ううえで大切なのは民衆の信頼という意味。由良議員は選挙で当選したあと、風力発電被害を訴えることに精力的で有権者の期待も大きいかもしれない。しかし、ルールすら守れないような人が「信」を得られるのだろうか。信頼がなければせっかくの議会活動にも影響を及ぼす可能性があると少しは考えたらどうか。とにかくこれ以上の混乱は回避してもらいたい。   (賀)