4日付の紙面で、平成23年9月の台風12号豪雨からの日高川町の復旧の特集を掲載した。道路を中心に台風直後と現在を写真で比較して、力強く復旧した日高川町を紹介した。紙面の製作に当たり、崩落した道路やへし折られた橋、崩土があった現場などに足を運び、現在の姿を写真に収めていったが、元の姿に戻った現在ののどかな町並みにあらためて喜びを隠せない。そんな中、松瀬にある日高川漁業協同組合では、先月17日から「日高川ブランド」と呼ばれる稚アユの放流を開始。台風被害からの待望の完全復活となった。
 漁協では、台風によってほとんどの施設が壊滅的被害。重要財産であるアユ、アマゴの成魚30万匹も流失した。台風直後に訪れたが、被害がひどく声を失った。施設は半年ほどで復旧したが、種苗生産が完全に復活するまでは2年7カ月の時を要すことになった。日高川ブランドは、施設内で日高川のアユを人工ふ化させたアユ。台風翌年の24年の稚アユは徳島県内などの日高川に近い系列の稚魚で対応し、種苗生産再開に伴い、昨年台風後初めて「日高川ブランド」を放流したが、2年目のことしは昨年のと違って代重ねをした稚魚。生育がよく、昨年より4㌢ほど大きめの良型で、放流量も300万匹を予定しており、型量ともに台風前に戻った。
 日高川のアユ漁は、日本一早い5月1日に解禁。1日の解禁はことしが3年目となるが、せっかくの日本一早い解禁もここ2年は台風被害の影響が残り、釣り人や関係者をやきもきさせた。ことしは、良型のアユ釣りを楽しめる。解禁の早さに加え、名実ともに日本一のアユ釣りの名所となることを願いたい。 (昌)