全国的に麻しん(はしか)の患者が増えているなか、和歌山県内でも先月下旬から増加傾向にあり、今月9日までに和歌山市などで11人の患者が報告されている。
 全国的には昨年11月末ごろから患者が増え始め、ことしに入って3月末までの患者報告数は231人で、早くも昨年1年間の230人を上回った。
 県健康推進課によると、和歌山県内では3月21日以降、患者報告が相次いでおり、患者の居住地別では和歌山市で10人、紀の川市で1人が発症。全員が15歳以下の子どもで、11人のうち9人は予防接種を1回受けていた。
 はしかは10~12日間の潜伏期間があり、発症すると38度前後の発熱やせき、鼻水、くしゃみ、目の充血など風邪に似た症状がみられ、肺炎、中耳炎を合併しやすく、1000人に1人の割合で脳炎を引き起こすといわれている。
 県内のはしか患者の報告は平成22年10月以来、約3年5カ月ぶり。今後、流行が拡大する恐れもあり、県は「有効な予防法はワクチン接種です。定期予防接種は1歳児と小学校入学前1年間の2回と定められており、対象年齢の方は必ずワクチン接種をしてください」と呼びかけている。