巨大地震などの際に小回りがきくバイクで救援活動を行おうと、県内組織のNPO法人和歌山レスキューサポートバイクネットワーク(早稲田眞廣代表)が昨年4月に発足し、訓練や研修などを重ねている。日高地方の隊員はまだわずか4人しかおらず、ネットワーク発足に携わった日高町原谷、会社員鍵本英隆さん(42)らは「地元での体制づくりを進めたい」と活動の輪の広がりを目指している。
 同ネットワークは田辺市を中心に県内全体の隊員40人で組織。地震が発生した場合には家屋の倒壊などでがれきが散乱することが予想されるが、オフロードバイクなら障害物を避けながら移動することが可能。この機動力を生かして情報収集、伝達、救援物資の運搬などのボランティアを行うのが目的。全国的には取り組みが広がっているが、和歌山県では遅れていた。
 阪神淡路大震災、東日本大震災でのボランティア活動を経験し、バイクレスキューの必要性を感じた鍵本さんは、「もし巨大地震が発生した場合は県内全体での被害が予想される。レスキュー隊は県内全体の組織だが、しばらくは他の地域の救援に回る余裕はなく、まず地元の日高地方での救援活動が主になる。隊員自身の安否もどうなるか分からず、1人でも多くの人が隊員として登録しておいてくれれば心強い」と期待。先月27日には御坊小学校で行われた同市の地震訓練「防災ぶるる」の会場でブースを開設してアピール。さらに今後は「障害物を避けるテクニック訓練や整備講習は田辺で実施することが多いが、隊員勧誘のPRもあわせて日高地方でもできれば」と話している。