みなべ町芝、書道家の赤木昭子さん(71)は去る12日からアメリカ・ニューヨークで開催されている展示会「Japan Arts Selection in the Les,NYC」に作品を出展中。15日に開かれたレセプションにも出席し、スピーチや書の実演で「和の心」をアピール。「梅は健康にいい」などと英語で話し、PR用に持参した梅干しも配布した。
 今回の展示会は「墨」がテーマで、書や水墨画など墨を使った作品が展示されている。東京の企画会社が主催で、全国的には知名度が低いが実力のある日本の芸術家34人が選ばれた。展示は24日まで。
 赤木さんの出展作品は、「心」の1字を書いた掛け軸。初日から現地の人たちが大勢訪れ、日本の伝統文化を観賞した。レセプションで、赤木さんは書の実演も披露。富士山の世界遺産登録にちなんだ「山」、日本の国花「桜」の2点をその場で書いた。和紙作家奥野誠さんが製作した用紙を使い、「山」は薄緑の紙に力強く、「桜」は薄ピンクの紙に優しく包み込むように揮毫。参加者からは「赤木さんは小柄な体格だが、筆を振るう姿に力強さを感じた。感動をもらった」という声が上がった。
 スピーチでは、最初に「2020年に東京でオリンピックが行われることに感動している。和の心が一致団結した結果が招致につながった」と話し、書については「常に『美』に挑戦している」と説明。みなべ町特産の梅についてもアピールし、「私の住んでいる町は日本で有数の梅の産地。いま着ている服は『サムエ』という僧侶の作業着だが、農家の人が梅染めでつくってくれた」と背中の「梅」の文字プリントも見せ、「梅干しは本来酸っぱいのですが、きょう用意したものはスイーツ感覚で食べられるので、どうぞ召し上がってください」と、PR用の1個入り梅干し約100個を配った。赤木さんは「現地の人が大勢見てくれて、とてもうれしい」と話している。
 赤木さんは平成11年から墨人会の書家、故羽柿賀恵子さん(西岩代)に師事し、翌12年、初めて墨人展に出展。以後、墨人会の東京展、京都展、関西サークル展などに出展。ことし2月には多目的施設「Mi館」で初めて個展を開催した。