学校教育において特に教育実践で成果を上げた教職員らをたたえる平成25年度きのくに教育賞に、日高地方から日高川町の丹生中学校栄養教諭、松本知子さん(51)=御坊市島=が選ばれた。県内全体で個人6人、2団体が受賞。来年2月1日に紀の川市の粉河ふるさとセンターで開かれる本年度第4回和歌山教育実践研究大会で表彰される。
 松本さんは、昭和61年に旧龍神村の東小学校に栄養士として着任。宮代小や虎東中など龍神村内の小中学校を経て、21年4月からは栄養士と教諭の資質を併せ持つ栄養教諭として丹生中学校に赴任。熱心な指導で食育の推進に尽くしている。
 丹生中学校では、子どもたちが将来にわたって健康に生活できるよう学校給食を通じて栄養や食事に関する指導に努め、生徒の食に対する意識向上に貢献。生徒の家庭にも大きな影響を与えている。昨年には町内の栄養士らと「給食レシピ 日高川町~地産地消の日~」を作成し、町内すべての小中学校保護者宅へ配布。野菜を多く取り入れた栄養バランスのとれたメニューを提案し、地域食材、郷土料理の素晴らしさを伝えている。給食とともに、授業でも食育推進を指導。丹生中ほか、早蘇中、中津小、中津中の3校でも日々の給食メニューを考えている。
 龍神村内の小中学校では、小規模校の特性を生かした取り組みを実践。過去の学校給食を紹介する学校給食展や地域住民を招いての試食会など開き、児童生徒、家庭、地域住民の食への関心、知識向上に努めた。
 これらの取り組みはさまざまな研修や講習会などで実践発表し、県の食育推進にも貢献。本年度からは県学校栄養士研究会会長を務めている。受賞に際し、「本当に恐縮です。栄養士や地域の皆さんと取り組んできたことが、こんな形となって認められたことがとてもありがたく思います。食は毎日毎日の積み重ねで一生続くこと。これからも食の重要さ、一食一食を大切にすることを伝えていければと思います」と話している。