秋の火災予防運動中の11日、南海地震により美浜町で家屋倒壊や火災が同時多発したと想定した訓練が行われ、日高広域消防や地元消防団が放水や負傷者救出などを本番さながらに実践した。
 日高広域消防と管内消防団長らでつくる日高広域消防協議会が主催。マグニチュード9・0の南海地震が起こったとし、会場となった松洋中学校では津波を想定して生徒が校舎3階に避難した。浜ノ瀬、和田、三尾地区で火災が発生し、広域消防と消防団員が放水して消火活動を展開。けがをした松洋中生徒は消防団員が応急手当てをして担架で搬送し、倒壊家屋からの救助では、広域消防レスキュー隊がチェーンソーで壁に穴を開けて閉じ込められていた男性を無事助け出した。校舎屋上に取り残された避難住民は、県防災航空隊がヘリコプターでつり上げて救助するなど、関係機関が連携を確認していた。広域消防の佐々木一消防長は「震災発生時、出動する消防団員は自分の命を守りながらどう活動するかを意識してほしい」と呼びかけた。