県の過疎集落支援総合対策事業の一環で、みなべ町清川地区の農家が地元で収穫される米を「きよかわ米」として本格的に売り出す。先月には生産者14人で結成する「きよかわ米生産者組合」(棒引清組合長)を発足、米を入れるオリジナルデザインの袋もつくった。11日にJAみなべいなみ清川事務所駐車場で開かれる「きよかわ市」でも販売される。「清川の米は昔から味がいいといわれている。新米を商品化しているので、ぜひ味わってほしい」とアピールしている。
 清川は山間部に位置し、きれいで冷たい水を使って米を栽培していることから以前から味には定評があり、農家から直接買い求める消費者も多いという。これまで町内のイベント会場などで販売したこともあったが、先月に生産者組合を立ち上げ、本格的な販売活動に取り組み始めた。米を入れる袋についてもこれまで使っていた市販のものから変更し、町内埴田のイラストレーター松下恭子さんにデザインを依頼して新調した。子どもがご飯をお代わりしているイラストが描かれ、「きよかわ米」と商品名が記されている。県の過疎対策総合事業で取り組んでいる清川特産品にも認定されており、商品には認定シールを張って販売する。品種はコシヒカリ、キヌヒカリ、イクヒカリ、日本晴の4種類。裏面には生産者名などを表示する。
 11日午前10時から催されるきよかわ市では精米して白米の状態で売り出し、3㌔が税込みで1200円、5㌔が2000円。同市で販売されるカレーライスやいなり寿司にもきよかわ米を使用してPRする。今後はJAみなべいなみの直売所「ほんまもんふるさと産地直売所」で販売する方針。同生産者組合では「きよかわ米が順調に売れれば耕作放棄地対策にもつながるし、農家の生産意欲も向上する。将来的には品種を統一し、ブランド化できれば」と話している。問い合わせは同組合長の棒引さん℡76-2448まで。