これはでかい! 御坊市湯川町富安、会社員北野高輝さん(49)がこのほど、沖縄県宮古島でクエの仲間として知られる超大物のヤイトハタを釣り上げ、話題となっている。
 ヤイトハタは体にやいと(お灸)をすえたような斑点があるのが特徴。沖縄県では方言で「アーラミーバイ」と呼ばれており、同県は太公望らの間で有名な釣り場となっている。北野さんは釣り歴30年のベテランで、パワー勝負となる大物釣りの魅力に取りつかれて年間7、8回は宮古島で釣り糸を垂らすが、自身今回のような大物は初めて。重さ43㌔、体長1・29㍍、鍋にすれば100人前以上は取れるサイズで、現地では年に1、2匹出るかどうかの代物だ。また、漁船だと大物が水揚げされることもあるが、磯から竿での一本釣りというのも珍しかった。100号の釣り糸や拳ほどもある特大のハリを使って、アジやサバをえさにする。ヤイトハタの釣りはまさに力と力の勝負。少しでも糸を緩めると、岩場で糸がこすれて切れてしまうため、強烈な引きと重さに耐えながらリールを巻き上げる。今回、ヒットしたときには、竿にずしんと来る重みに全身の筋力を使ってじっと我慢しながら魚が弱ったところで一気に巻き上げるというのを繰り返して、10分ほどで釣り上げたという。
 ヤイトハタはクエのように食べると美味な魚としても知られるが、あくまで釣ることを楽しみとする北野さんは、せっかくの釣果を惜しげもなく、現地の知り合いの民宿にプレゼント。「ヤイトハタの釣りは糸が切れるか、竿が折れるか、そして釣り上げるかのいずれかしかない。けた違いのパワーは、他の釣りにはない魅力」とさらなる大物を狙っている。