平成27年の紀の国わかやま国体のアーチェリー競技会場となっている日高川町和佐、南山スポーツ公園の整備を計画している町に対し、日高地方の各種スポーツ6団体の関係者が6日、整備に向けた提案書を提出した。競技会場となっている陸上競技場のリニューアルや野球場の改修などで、国体後も紀中のスポーツ拠点として有効に利活用できる施設となるよう提案をまとめている。町では、整備の一部の予算を13日開会の9月議会に提案の一般会計補正予算に計上する。
 提案書を提出したのは、町体育協会、県高校体育連盟、同野球連盟、日高地方陸上競技協会、同サッカー協会、同中学校体育連盟の6団体。この日、関係者9人が日高川町役場を訪れ、町体育協会の小串親秀会長が「国体終了後も有効に利活用できるよう願って提出させていただきます。ご配慮をお願い申し上げます」と市木久雄町長に提案。市木町長は「豊かな財源ではないので、職員の体制を整え、皆さんの意見をいただきながら最小限必要なことから整備を進めていきたい」と回答した。
 提案書では、大きな規模の大会の競技会場となり得る整備より、国体後を視野に入れてトレーニング、合宿など目的とした施設、設備の充実を目指すべきと訴えている。陸上競技場については、観客席などよりもトレーニングに利用できる施設の充実が重要とし、天候に左右されない全天候型のトラック整備、サッカーなど球技の利用へフィールドの芝生化、本部席の設置など提案している。野球場については、老朽化が著しいことから水はけの改善へ排水設備の整備、選手の安全確保へコンクリート製の外野フェンスへのラバー設置を求め、内野の黒土化、外野の芝生化も要望。ほか、駐車場の舗装、ジョギングコースを兼ねた遊歩道、簡易的な投てき練習場、救護室、トイレ、放送設備の整備など望んでいる。
 町では一時、スポーツ公園の整備に最大20億円の構想を描いていたが、すでに白紙。市木町長は6月議会の一般質問の中で、「4億円から5億円ぐらいで国体に最小限必要な整備にしたい」と答弁している。今後、9月議会の一般会計補正予算で一部整備費を計上、認められればそれ以外の整備計画をまとめ、26年度の一般会計当初予算に計上したい考え。