慣例とは「これまで行われてきて習慣のようになったやり方。 ならわし。 しきたり」 を意味する。 広い範囲でとらえると、 祭りの風習も含まれるだろうし、 組織や団体で過去から続けられているような事柄もそれに当たるだろう。 その中にはいまも必要性が継続している事柄もあれば、 時代の流れに合わなくなってしまっている場合もある。
 議会で議長が一般質問を行わないというのも慣例の1つだ。 ところが、 去る24日に開かれたみなべ町の定例議会で、 慣例に反して議長が一般質問を行った。 全国的にも珍しく、 みなべ町でも初めてだ。 役場職員らによると 「合併前の旧南部町、 旧南部川村を合わせても記憶にない」という。
 規則に触れる行為ではないが、住民の意見は賛否両論。賛成派は「議長も議員の1人。積極的に質問するのは議会が活性化するという意味でもいいことだ」。一方、慎重派は「あえて議長が質問しなくても他の議員に任せればいいのでないか」 という意見も。
 ルールに違反していないのだから周りがとやかく言う必要もないのかもしれないが、 個人的な考えを言えば議長が一般質問を行う場合は自治体の将来を大きく左右するような事案が発生した時、 最後の切り札的な質問として行うべきではないかと考える。 議長は議会を代表するとともに議場の秩序保持、 議事のスムーズな進行をはかることなどの権限が与えられている。 あまりにも頻繁に一般質問を行うようだと議長の権威が低下するのではなかろうか。 それとも筆者の考えが時代の流れに即せず、 過去からの習慣にとらわれ過ぎているのか。(雄)