市内塩屋町南塩屋 (森岡地区) に計画されている民間の管理型最終処分場・破砕施設の建設に関し、 県は25日、 事業者の大栄環境㈱ (金子文雄代表取締役) に対して処分場と破砕施設の設置を許可した。 平成19年10月の事前調査から5年以上、 環境影響調査等を経たのちの法律に基づく設置許可申請から2年4カ月。 県内初の管理型、 安定型も含め過去最大規模の最終処分場は、 地元住民らの反対の声も大きいなか、 建設への最後のハードルを越えた。
 県の米田和一環境生活部長、野田孝雄循環型社会推進課長、竪一宏森林整備課長らが県庁で発表。大栄環境が御坊総合運動公園の東側に計画している処分場は、埋め立て面積が約6万5000平方㍍、埋め立て容量が約134万5000立方㍍で、プラスチック類やコンクリートくず、金属くずなど安定5品目に紙くずや繊維くずなど3品目を加えた8品目を処理する。
 県は廃棄物の処理と清掃に関する法律に基づき、埋立地の安定性や遮水工の設置、浸出水処理設備・調整槽の設置、周辺地域の生活環境の保全などの基準を審査。米田部長は「施設は平常時や大地震の際も安定しており、遮水工は遮水シートの損傷を防ぐ保護マットをつけることなどから問題はない。浸出水の処理施設については、地域の過去20年間の最大降水量を当てはめ、必要な能力を持った調整槽を設置することにしていたが、審査途中の台風12号の降水量を当てはめ、余裕のある能力を要請し、事業者が改善、増強した」などと説明した。
 計画をめぐり、地元からは県に対して6190人分の反対署名が提出されている。今回の許可を受けて、反対派の不満や怒りはさらに高まることも予想されるが、県は法律に基づく許可基準の審査、施設と環境の安全、事業者の知識、技能などに問題がないことを強調し、野田循環型社会推進課長は「われわれは反対意見もあるなか、審査をしてきた。処分場からのばいじんはモニタリングを継続させることとし、遮水シートの漏水検知のモニタリング情報も公開するよう指示している。県として今後、説明会を開くことは考えていないが、事業者に対して不安を持っておられる住民への真摯(しんし)な対応を求めていく」と話した。
 県は今後、1年半から2年程度で処理場が完成、廃棄物の受け入れを開始するのではないかとの見通しを示している。