市内塩屋町森岡産廃計画の中止を求める塩屋の会などが25日、県に7項目の申し入れや質問を行った。その中で産廃計画業者が今月10日を最後に県の建設許認可が下りる前段階での住民説明会を打ち切ったことについて、同会メンバーが「まだ不十分。県から開催要請を」と訴えたが、県側は「要請しない」と断言するなど、話し合いは平行線をたどった。
 住民説明会の開催については、計画業者の大栄環境が今月10日に市立体育館で開かれた説明会の中で「これまでにも住民への説明会を開いており、今回で最後にしたい。ただ、今後も県の建設許認可が下りて事業を進めていく上で、住民の不安払拭(ふっしょく)へ説明会を継続していく」と発言していた。これを受けて塩屋の会メンバーは県に対して「県アドバイザー会議では『地元の方々が不安や疑問を感じた場合、その意見をともかく速やかに真摯(しんし)に受け止めることを徹底してほしい』と言っていた。産廃計画については近くの給食センターへの影響や処分場で取り扱われるアスベストの問題など、不安な点がまだまだある。私たちにとっては説明は中途半端で終わっている。業者は説明責任を果たしていないのではないか。県から開催要請を」と求めた。しかし、対応した県循環型社会推進課の野田孝雄課長らは「県としては産廃計画が法律に基づいているのかをチェックし、立ち入り指導したり、改善を指示したりするのが役割」とした上で、「県から説明会を要請することはありません。業者は『今後も説明会を継続していく』と話しており、アドバイザー会議の意見にも沿ったものだと思う」と説明。同会メンバーは「許認可が出たあとに説明するなんておかしい」「処分場を建設すれば、賛成の地元森岡地区と反対の周辺地区の住民の間に根深い対立が残る」などと不満を爆発せさていた。
 このほか、処分場で取り扱うアスベストについて県は「マニュアルに基づけば危険ではない」との認識を示したが、同会メンバーは「検査でアスベストが全てチェックできるわけがない。そもそも最初からアスベストの取り扱いを説明しなかった業者を信用できない」などと声をあららげていた。
 処分場の漏水検知システムについては県が「法で定められているわけではなく、より一層安全にするための設備。調整池も追加して整備するが、本来ならなくてもいいところを、さらに安全にするためのもの」などと説明した。肝心の建設許認可については「審査の手続き上は全て終わっている」と説明するにとどまり、判断時期には言及しなかった。
 この日は同会が県に956人分の反対署名も提出。これで延べ署名数は約4000人となった。さらに仁坂吉伸知事あての要望書も循環型社会推進課に手渡した。