災害時の飲み水を確保しようと、 みなべ町西岩代地区は各家庭の井戸39カ所で水質検査を実施。 20カ所の井戸水が飲料水として使用できることが分かった。 今後、 断水時に区民が共同で活用する。 岩代地区の水道管パイプは海岸沿いを通っていることから大津波で断水する可能性が高く、 住民らは 「万一の時は、 水がまず必要になる。 南海トラフの大地震に備えたい」 と話している。
 平成16年の中越地震で梅の郷救助隊員が復旧ボランティアとして出動した際、 「大災害ではまず飲み水が必要」 ということを実感。 隊員で元消防団の駒木弘さん (60) ら有志が 「各家庭にある井戸水を活用できないか」 と取り組みを始めた。
 出動直後の16年に西岩代の戸仲地区で各家庭の協力を得て井戸11カ所で水質検査を行った時には、 2カ所が飲み水として使用できることが分かった。 ことしになってから自主防災が中心となり、 前回調査分も含めた西岩代の127世帯を対象に井戸の有無などを問うアンケート調査を実施。 66世帯が井戸を持っており、 そのうち水質調査を希望する39カ所で実施した結果、 20カ所が飲み水として活用できることが分かった。 調査費用は県の 「ふるさと雇用特別基金活用事業」 を利用し、 個人負担はなかった。
 駒木さんは 「岩代地区の水道管は千里の浜を通っており、 津波の時には断水する危険性が高い。 南海トラフの巨大地震の発生が懸念されている今、 避難生活で重要な飲み水は今のうちに確保しておきたい。 今後も飲み水として利用できる井戸を増やしていければと思っている」 と話している。