平成20年を最後に休止している日高川町の紀の国美山マラソン。大会復活を願う有志ランナーらが毎春、フルマラソンのコースを走って再開への思いをアピールしている。ことしも昨年の台風12号の影響でコースを変更したが、42・195㌔を駆け抜けた。
 大会のコースとなっていた国道424号の拡幅工事が間もなく完了。15日から供用を開始する。広く安全な2車線となり、トンネルも設置。地域の生活産業道、龍神・熊野方面への観光ルートなどあらゆる面で効果は大きい。さて工事の完成は、全国各地のマラソン愛好家にとっても朗報となりそう。マラソン大会の休止は参加者数の減少が要因でもあるのだが、最大の理由はこの国道拡幅工事。当時、関係団体等が協議した結果、「代替コースの設定は困難」「工事実施区間を使用しての開催は好ましくない」との意見が寄せられ、「5年間は休止せざるを得ない」との結論に達した。
 大会は平成7年に県下初となる本格的なフルマラソンをメーンとして開催。以来、アップダウンが激しく、山紫水明を望めるコースは全国のランナーに親しまれ、毎年1000人以上がエントリー。専門雑誌の『全国ランニング100撰』に2度も選ばれるなど、全国に名をとどろかせた大会だ。工事が完了した今、休止の最大理由がなくなった。コースには、まだ台風の爪痕が残る。5年間とはいわず前倒しして来春、無理なら再来年にでも復興マラソンと銘打って単発的に復活させてみてはどうだろう。義援金を募るもよし、ジビエ料理やアユ・アマゴで元気をアピールするのもよし。全国各地から多数のランナーが集まるはず。有志ランナーのアピールも一層熱を帯びそうだ。   (昌)