昨年3月に発生した東日本大震災をきっかけに、 みなべ町の海岸部各区から津波の時の避難路を望む声が上がっており、 町では整備を進めている。 震災以降に3カ所で設置されたほか、 先月5月議会では2カ所を予算化。 設置に向けて検討しているところも9カ所ある。 町では 「住民の防災意識が高まっている。 今後も必要な防災対策を実施していきたい」 と話している。
 同町は海岸部に位置し、 近い将来に発生が予想されている南海地震では津波の被害を受ける恐れがある。 昨年の東日本大震災から避難路が見直され、 「近くに高台があるのにスムーズに移動できない」 などという理由から避難路の整備を望む声が多い。 ことし3月末に内閣府が発表した南海地震の津波想定が従来の県の予想の5・9㍍から14・8㍍に跳ね上がったことも、 避難路建設へ追い風となった。
 昨年3月の大震災が起こるまでは埴田の愛之園保育園近く、 堺の農免道路付近の2カ所に避難路が建設されていたが、 震災以降、 ことし1月には埴田の小川商店から裏山に通じる約200㍍の既設道を整備。 3月末にも山内の星光学院南部学舎の裏山の雑木林約80㍍を伐採し、 丸太を組んで階段を設置した。 5月には堺の日吉神社奥にも既設道24㍍を舗装し、 避難路として整備した。 このほか5月議会では山内地内の小目津公園堤防から紀州南部ロイヤルホテルに向かうルート、 芝の猪野山公園ルートの2カ所を予算化。 他にも設置を検討している場所が多く、 山内地内で3カ所、 東吉田地内で1カ所、 埴田地内で2カ所、 堺地内で3カ所の計9カ所がある。 町では 「避難路の整備など、 防災対策を積極的に進めていきたい」 と話している。