市議会最終日の27日は、 産業厚生常任委員会 (山本直治委員長) から問題の森岡地区産業廃棄物処分場建設計画に関して県に事実上反対を求める意見書の提出が提案され、 満場一致で可決した。 産廃建設計画に議会から意見書が提出されるのは県内初のケースで認可権者となる県の今後の対応が注目されるが、担当の循環型社会推進課は困惑気味で、 「内容を吟味し、 慎重に判断したい」 と話している。
 本会議では山本委員長が前日の委員会でまとめた意見書の内容について 「県は県内の産業廃棄物処分量を大幅に削減する目標を立てているが、 排出抑制意識を高めるためにも新たな最終処分場の建設を必要最小限にとどめることが重要。 森岡産廃計画については、 反対する住民が周辺地域で7割超。 この住民の声を最大限生かすよう求める」 などと説明した。 意見書には 「将来にわたり許認可権者としての責任の所在を明確にして真摯 (しんし) に対応すべき」 との文言も盛り込まれ、 建設容認への含みも持たせているようにみえるが、 全体的には反対色の強い内容となっている。 採決は起立で行い、 全員が賛成となったが、 採決前の討論では山田勝人議員が 「産廃は基本的に反対の姿勢だが、 中立公平という議会の立場から反対派だけではなく、 推進派の意見も聞くべきだったと思う。 意見書の内容を先輩議員らが苦労して作成した経緯もあり、 賛成やむなしであることを理解いただきたい」 と述べた。
 産廃計画について議会で一定の議論が行われたことを受けて、 柏木征夫市長は保留していた県への意見具申を近く提出する見通し。 議会側で反対色の強い意見書の提出が決まったが、 意見具申の内容についてはこれまでの原案を変更することなく、「可能な限り適切な環境保全措置」「事業の実施に伴う環境への影響が軽微となるよう最大限の努力」「将来的に8品目を遵守」などと、 賛否を盛り込まない内容となる。
 これを受けて難しい判断を迫られるのが県。担当課は「新聞報道で意見書が提出されるのを知っただけで、 いまの時点でどうなるかは申し上げれない。 議会から上げられる意見書は当然無視できるものではなく、 内容を十分に検討して取り扱いを考えていきたい」と話している。関係者によると、県が付近住民の声や議会の意見書に基づき計画に不認可の判断を出すことは可能。ただ、法的に問題のない計画であれば、 業者から民事の裁判で争われる可能性はある。逆に反対派は 「計画が認可されれば、論点が難しいが裁判で争うことも考えなければならない」と警戒している。