紀州路に初夏の訪れを告げるアユ漁。県の条例改正で県内河川の漁解禁日が5月26日から5月1日になったことを受け、日高川では3日からの漁が可能となり、高知県の河川を抜いて、日本一早くアユの友釣りができる川となった。毎年解禁日には、日高川で太公望を取材するが、本当に楽しそうで充実感に満ち溢れており、筆者までうれしくなってくる。解禁日の前倒しは愛好家の願いはもとより、さまざまな点で期待は大きく、本当の意味で改正になったと思う。
 さて26日だった解禁日。もともとは川の状態やアユの成育具合等さまざまな観点から決めたのであろうが、近年は定めた頃と状況が違う。地球温暖化の影響からか、県内河川は水温上昇が早く解禁時期が冷水病の最も発生しやすい水温となるため不漁で、日高川も悩まされ、4年前には解禁前から発病してしまったほど。そこで日高川漁協等が25日以前の早期漁獲が可能かどうかを探ろうとおととし、昨年と漁獲調査を実施したところ、釣果は良好。すでに漁獲サイズまで育っている上、良型も多く十分に漁ができることを証明、その成果が認められ条例改正に結びついた。
 解禁日の前倒しは県内12河川すべての内水面漁協の念願で、ようやくかなった格好だ。冷水病対策だけでなく、ゴールデンウイークの漁場の有効活用、これに伴う地域経済の活性化など効果はとても大きい。日高川では天然そ上も例年より多い200万匹以上が見込まれるなど好調で、稚魚も期間中に200万匹以上を放流する。ことしに限り解禁日を3日としたが、来年度からは1日とする見通し。日本一早くアユ釣りが楽しめ、釣果も抜群。アユと言えば日高川と全国に一層名を広がることを期待したい。    (昌)