就任会見で教育方針、学校の再建等について説明する甲斐理事長(和歌山南陵高校で)

 2022年5月に給与未払いなどを理由に職員のストライキが発生した日高川町和佐の和歌山南陵高校を運営する学校法人南陵学園(本部・静岡県)の新しい理事長にコンサルタント会社代表の甲斐三樹彦氏(52)=宮崎県延岡市=が就任し、18日、同校で経営改善などについて意気込みを語った。教育方針については生徒ファーストを強調した。

 同校は学校法人の資金難で職員の給与が滞り、2年前からは法人がある静岡県から生徒募集の停止命令が出されている。現在も解除されておらず、問題発覚前の2022年度は168人の生徒が在籍していたが、現在は新3年生18人だけとなっている。

 会見で甲斐理事長は「今までの理事や監事らの旧経営陣が全員退任した」と経営体制の刷新を強調。同法人が抱えていた取り引き先などへの滞納金についても、「いろんな企業などの支援で、返済するめどが立った。運営資金は確保できた」と説明。早期の措置命令解除を目指し、再び生徒の募集を開始したい考えを示した。

 学校の運営方針については「生徒最優先の教育を進め、魅力ある学校づくりを進めていきたい。この高校を卒業し、地域や日本に貢献できる子どもの育成がモットー。子どもたちが進学や就職でワンランク上を目指せるようにしていきたい」と述べた。ウクライナ避難民や不登校の子どもたち、外国人留学生らも積極的に受け入れる案があることも明らかにした。

 教育環境についても「実際に学校の施設を見てみると、思った以上に老朽化が進んでいる。寮の風呂場などの水回りなども悪化している」とし、今後は施設の改修に取り組み、校名も変更したいという。