アユを釣り上げる太公望(龍神温泉元湯前で)

 日高川で1日、初夏の風物詩のアユの友釣りが解禁となり、太公望らがシーズンの幕開けを満喫した。この日は雨が降るあいにくの天候となったが、河川のコンディションは上々。県内や京阪神などから訪れた釣り人が早朝から川に入り、10㍍近くの長竿を操作しながら次々と釣り上げる姿がみられた。

 友釣りは野アユが縄張りを持つ習性を利用し、釣り針を付けたおとりアユを泳がせ、野アユがおとりアユに体当たりしてくるところを引っ掛ける日本独自の釣法。

 この日の川の状況は濁りもなく、水位もやや減水。椿山ダムより上流の龍神地区を中心に釣り人の姿がみられ、午前中に20匹以上の釣果も。大きさは15㌢前後で、解禁日としてはまずまずのサイズ。今後、水温の上昇に伴ってアユの活性が上がり、夏場にかけてシーズン本番を迎える。

 友釣り歴約50年という高石市の竹村元宏さん(80)も龍神村の宮代キャンプ場前のポイントで竿を出し、釣り始めから15分もしないうちに2匹を釣り上げ、「和歌山県内の川はよく来ます。去年も日高川で釣りを楽しみました。解禁日は釣り人にとって祭りのような日で、胸がワクワクします」と話していた。

 日高川漁業協同組合は4月から約74万匹の稚アユを放流し、今後も放流する予定で、「たくさんのアユを放流しているので、終盤の秋まで十分に楽しんでもらえます」と話している。